ナンクル力学系

学んだ事を書き連ねていこう。

ルベーグ積分21/30講

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ルベーグ積分30講(志賀浩二)の第21講,\Re^k 上ではルベーグ積分とリーマン積分が同じ値をとるよ,というところまで読んだ.

学習記録と目次を足して二で割ったようなやつ:

  1. 広がっていく極限
    • 言葉を使った説明.ルベーグ積分の問題意識みたいなもん.
  2. 数直線上の長さ
    • 測度
      • 長さ,面積の一般概念.
    • 平行移動による不変性
      • 区間の長さや面積は平行移動.
    • 完全加法性
      • 可算個の区間の合計で「可算個のつながっていない区間の和集合」にも測度を定義する.
  3. 直線上の完全加法性の様相
    • 有理数の測度は0.
    • カントル集合の測度は0.
    • 測度0の集合を零集合と言う.
  4. ふつうの面積概念 – ジョルダン測度 –
    • 可算個のタイル(長方形の半開区間)で図形の内側外側からはさみうち.
    • ジョルダン内測度・外測度
  5. ルベーグ外測度
    • ルベーグ外測度の定義:
      • m^* (S) = \inf \sum_{n=1}^{\infty} | I_n |
        • S: 平面の有開な集合
        • \{ I_n\}: Sをおおう可算個の長方形(半開区間)
    • ルベーグ外測度の性質:
      • (ⅰ) 0 \le m^* (S) < \infty; m^* (\emptyset) = 0
      • (ⅱ) S \subset T \Rightarrow  m^* (S) \le m^* (T)
      • (ⅲ) \{ S_l \} が有開な集合列,かつ和集合 \bigcup_{l=1}^{\infty} S_l ならば
        • m^* (\bigcup_{l=1}^{\infty} S_l) = \sum_{l=1}^{\infty} m^* (S_l)
    • 長方形の外測度
      • 任意の長方形I に対して,m^* (I) = |I|
      • 証明には有開閉集合のもつコンパクト性(つまり有限被覆性)を用いた.(復習ログ
      • これ以外には位相の知識は用いなかった気がするので,ルベーグ積分をとりあえず学ぶには距離空間での有限被覆性まで抑えていれば良いのかもしれない.
  6. ルベーグ内測度
    • 内側からどうやって測る?ジョルダン内測度のように内側から測るのが難しい病的な集合もあるよ,というお話.
    • 外側の外側は内側!
    • ルベーグ内測度の定義:
      • m_* (S) = |J| - m^* (J \cap S^c)
        • S : 平面の有開な集合
        • S^c : 平面全体を考えた時のS の補集合
        • J : Sを内部に含む長方形
    • 内測度は J の取り方に依らずに決まる
    • 性質:
      • (ⅰ) 0 \le m_* (S) < \infty
      • (ⅱ) m_* (S) < m^* (S)
      • (ⅲ) S \subset T \Rightarrow m_* (S) \le m_* (T)
      • (ⅳ) 任意の長方形I に対して,m_* (I) = |I|
    • ルベーグ測度の定義:
      • 集合S m^* (S) = m_* (S) をみたす時,ルベーグ可測な集合であるといい,この値をルベーグ測度m(S) という.
    • 零集合: 測度0の集合
    • 零集合はつねに可測
    • 空集合はつねに可測
  7. 可測集合 — ルベーグの構想
    • 前の講義で定義したルベーグ測度を使って平面上の集合を測るとはさみうちした間に変な集合(零集合)が残る、という話.
    • この講義自体にはあまり必然性が無い気がした.
  8. カラテオドリの構想
    • 平面上でのカラテオドリの意味での可測の定義:
      • S \subset \Re^2 とする.
      • すべてのE \subset \Re^2 に対して次式が成り立つ時、カラテオドリの意味で可測という.
        • m_* (E) = m_* (E \cap S) + m_* (E \cap S^c)
    • ルベーグの意味での可測、よりもきつい条件.
      • ESを含む長方形としても良く、その時ルベーグの意味での可測になる.
      • つまり、「カラテオドリの意味で可測⇒ルベーグの意味で可測」
      • ありとあらゆるE について調べなきゃいけない、というのは大変な条件だと思う.調べるのも難しそう.
    • しかし、「ルベーグの意味で可測⇒カラテオドリの意味で可測」という定理がある!(第13講で示す)
      • つまりこの二つは同値!
    • カラテオドリの意味での可測の条件は一見して面積っぽくないし,もはや図形にも見えない.こんな集合について積分出来るのか,と興奮した.確率論で必要だ,という理由がなんとなく分かった.
  9. カラテオドリの外測度
    • 面積が∞となる図形もあるので,測度は実数に∞もくっつけた集合上で値をとることにしよう.
    • カラテオドリの外測度の定義:
      • 対応:
        • X \supset A \mapsto m^* (A) \in \Re \cup \{+ \infty\}
      • が以下の規則を満たす時,これをカラテオドリ外測度という.
        • (C1) 0 \le m_* (S) \le \infty
        • (C2) A \subset B \Rightarrow  m^* (A) \le m^* (B)
        • (C3) m^* (\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n) = \sum_{n=1}^{\infty} m^* (A_n)
    • カラテオドリの意味での可測の定義:
      • A \subset X とする.
      • すべてのE \subset X に対して次式が成り立つ時、カラテオドリの意味で可測という.
        • m_* (E) \le m_* (E \cap A) + m_* (E \cap A^c)
    • ボレル集合体(またはσ-加法族)の定義:
      • 集合Xの部分集合族{\cal B}が次の条件をみたす.
        • (B1) {\cal B} は少なくとも1つの部分集合を含む.
        • (B2) A \in {\cal B} \Rightarrow A^c \in {\cal B}
        • (B3) A_n \in {\cal B} (n=1,2,\cdots) \Rightarrow \bigcup_{n=1}^{\infty} A_n \in {\cal B}
    • ボレル集合体\cal Bの性質:
      • (ⅰ) X, \emptyset \in {\cal B}
      • (ⅱ) A,B \in {\cal B} \Rightarrow A \cup B, A \cap B, A \setminus B \in {\cal B}
      • (ⅲ) A_n \in {\cal B} (n=1,2,\cdots) \Rightarrow \bigcap_{n=1}^{\infty} A_n \in {\cal B}
    • (B3)と(ⅲ)はにているので注意.(ⅲ)は共通部分で狭めていく方向だから特別に仮定は要らない(定理でOK)んだろうな.
    • 性質2:
      • (B1),(B2),(B3) ⇔ (B1),(B2),(B3′),(B3”)
        ただし,

        • (B3′) A,B \in {\cal B} \Rightarrow A \cap B
        • (B3”) A_n \in {\cal B} (n=1,2,\cdots)が互いに共通点を持たないなら,\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n \in {\cal B}
    • 書いてて気づいたんだけど,ボレル集合体を定義しないと外測度を写像として書けないよね.
      • m^* : {\cal B} \to \Re \cup \{+ \infty\}
  10. 可測集合族
    • 可測集合全体の作る集合族:
      • {\cal M} = \{ A| m_* (E) \le m_* (E \cap A) + m_* (E \cap A^c) , {}^\forall E \subset X \}
    • 定理: {\cal M}はボレル集合体をつくる.
    • 完全加法性の定義:
      • 可測集合列\{ A_n \}が互いに共通点を持たないなら以下が成立する.
        • m (\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n) = \sum_{n=1}^{\infty} m (A_n)
    • 定理; {\cal M}上の測度は完全加法性を持つ.
    • 完備性の定義:
      • A \in {\cal M}, m(A)=0 \Rightarrow S \in {\cal M} ({}^\forall S \subset A)
    • 定理: {\cal M}には完備性が成り立つ.
  11. 測度空間
    • 確率との関係が少し見える部分.
    • 測度について一般的な話をしましょう,という講義(だと思う).ルベーグの外測度・内測度,そしてふたつが一致した時の測度のどれにも成り立つような演算規則(定理)を証明している.
    • 測度の定義:
      • 対応
        • m : {\cal B} \to \Re \cup \{+ \infty\}
      • が以下の性質を満たす時,mを測度という.
        • (M1) A \in {\cal B} に対し0 \le m(A) \le \infty .ただしm(\emptyset) = 0
        • (M2) 互いに共通点の無い集合列A_n \in {\cal B} (n=1,2,\cdots) において
          • m (\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n) = \sum_{n=1}^{\infty} m (A_n)
    • 測度空間の定義: 組X({\cal B}, m)
    • 有限集合の演算と測度(定理):
      • (ⅰ) 互いに共通点の無い集合列A_i \in {\cal B} (i=1,2,\cdots,n) において
        • m (\bigcup_{i=1}^{n} A_i) = \sum_{i=1}^{n} m (A_i)
      • (ⅱ) A \subset B \Rightarrow m(A) \le m(B)
      • (ⅲ) m(A \cup B) + m(A \cap B) = m(A) + m(B)
    • この後,増加列,減少列,そして一般の集合列について上極限,下極限,(収束する場合の)極限を定義をする.別の記事にまとめた.
    • 無限集合列の演算と測度(定理):
      • (a) 集合の増加列 A_1 \subset A_2 \subset \cdots \subset A_n \subset \cdots に対し,
        m(\lim A_n) = \lim m(A_n)
      • (b) 集合の減少列 A_1 \supset A_2 \supset \cdots \supset A_n \supset \cdots に対しm(A_1) < \inftyのとき,
        \lim m(A_n) = \lim m(A_n)
      • (c) 任意の集合列に対しm(\bigcap_{n=1}^{\infty} A_n) \le \sum_{n=1}^{\infty}  m(A_n)
      • (d) m( \underline \lim A_n) \le \underline \lim m(A_n)
      • (e) m(\bigcap_{n=1}^{\infty} A_n) < \infty \Rightarrow m(\overline \lim A_n) \ge \overline \lim m(A_n)
    • 極限と測度の演算順序の交換性(定理):
      • m(\bigcap_{n=1}^{\infty} A_n) < \infty  かつ \lim A_nが存在するなら,
        m(\lim A_n) = \lim m(A_n)
  12. ルベーグ測度
    • 定理: 半開区間は可測であり,その面積が測度になる.
    • 定理: 開集合,閉集合は可測.
    • 定義:
      • G_\delta 集合: 可算個の開集合の共通部分として表される集合
      • F_\sigma 集合: 可算個の閉集合の和集合として表される集合
    • この後で,G_{\delta \sigma} F_{\sigma \delta} G_{\delta \sigma \delta \sigma} F_{\sigma \delta \sigma \delta} G_{\delta \sigma \delta \sigma \delta \sigma} F_{\sigma \delta \sigma \delta \sigma \delta} .と繰り返すことでボレル集合が得られる,そしてこれは可測集合だから\Re^kのボレル集合はすべて可測である,と結論付けてる.この繰り返しで得られる集合族がボレル集合体を構成するのだろうか?
    • 等測包の定義:
      • 部分集合S \subset \Re^kについて,次式を満たすG_\delta 集合Gを等測包という.
        S \subset G, m^* (S) = m(G)
    • 定理: 部分集合S \subset \Re^k, m^* (S) < \inftyについて,等測包が存在する.
    • 定理: S = G -Nと書ける.ただしNは零集合.
  13. 可測集合の周辺
    • 定理: カラテオドリの意味で可測⇔ルベーグの意味で可測
    • 等測核の定義:
      • JSを含む長方形
      • \tilde GJ \cap S^cの等測包
      • 等測核:K = J \cap {\tilde G}^c
    • 先の定理から, K \subset S \subset G であり, G-K は零集合であると言える.
    • ジョルダン測度に関する定理:
      • |S|^* = m(\bar S) ただし\bar SSの閉包
      • |S|_* = m(S^{\circ}) ただしS^{\circ}Sの内点の集合
  14. 測度論の光と影
    • 零集合の不思議さを見よう,という講義.ボレルの定理は面白いと思ったけど,零集合の話自体はそんなに不思議な気はしなかった.勉強不足?
  15. リーマン積分
    • リーマン積分の復習
    • 積分可能条件(定理):
      • 関数f(x)がリーマン積分可能

        fのグラフの作る図形Sに対してm(\bar {S} - S^\circ) = 0
    • 可算個の不連続点しかもたない有界な関数は,リーマン積分可能.
  16. ルベーグ積分へ向けて
    • ルベーグ積分のアイディアの説明
    • 特性関数の定義:
      • \varphi (x; A) := \left\{ \begin{array}{ll} 1, & x\in A \\ 0, & x \not\in A \end{array} \right.
    • 単関数の定義:
      • \varphi := \sum \alpha_i \varphi (x; A_i)
  17. 可測関数
    • 可測の定義:
    • X上で定義された実数値f(x)が,任意の実数\alpha, \beta (\alpha < \beta)に対し
      \{ x | \alpha \ge f(x) < \beta \} \in {\cal B}
      を満たす時,fを可測であると言う.
    • 定理: 可測関数の線形和,積,絶対値は可測関数.
    • 可測関数列の定理:
      • \{f_n\}X上の可測な関数列とすると,\sup f_n(x), \inf f_n(x)も可測な関数となる.
  18. 可測関数の積分
    • 単関数の積分の定義:
      • 短関数に対し,可測集合E \subset X上での積分を次式で定義する.
        \int_{E} \varphi (x) m(dx) = \sum_{i=1}^{n} \alpha_i m(A_i \cap E)
    • 可測関数の積分の定義:
      • \int_{E} f(x) m(dx) = \sup_{0 \le \varphi (x) \le f(x)} \int_{E} \varphi (x) m(dx)
      • ただし,f \ge 0
    • 正負両方の値をとる関数については,正と負の場合に分けて積分する.どちらも∞になる場合は積分確定で無いとする.こう定義するために,後にリーマン広義積分が出来てもルベーグ積分不可能な例があることが分かる.
    • 定理: 単関数所の増加列で(正の値を取る)可測関数を近似できる.
    • ここで(各点)収束と一様収束の違いについて説明がある.
  19. 積分の基本定理
    • エゴロフの定理:
      • 有界な測度空間上で定義されたfに収束する可測関数列\{f_n\}を考える.{}^\forall \epsilon に対して次の性質を満たす可測集合Hが存在する.
        (ⅰ) m(H) < \epsilon
        (ⅱ) Y = H^c上で,f_nfに一様収束する.
    • 前講の単関数による可測関数の近似とエゴロフの定理を併せると,次式を得る.
      • \int_{X} f(x) m(dx) = \lim \int_{X} \varphi (x) m(dx)
    • 上式を整備すると積分の基本定理が得られる.
  20. 積分の性質
    • 積分の和(定理): 関数の線形和の積分は関数の積分の線形和
    • 関数項の級数(定理): 積分と無限和は可換
    • 共通しない集合列上の積分(定理): 積分と(共通点の無い)集合の無限和は可換
    • 増加列の極限(定理): 増加列の極限と積分は可換
    • ファトゥーの不等式(定理): 略
    • 可積分関数の定義: 正の部分,負の部分の積分値がともに有限
    • 可積分関数の積分(定理): 略
    • ルベーグの収束定理;
      • 可測関数列f_n(x) (n=1,2,\cdots)f(x)に収束.
      • 適当な可積分関数F(x)が存在し次式が成立.
        |f_n (x)| \le F(x) (n=1,2,\cdots)
      • この時,任意の可測集合E上で次式が成立.
        \int_{E} f(x) m(dx) = \lim \int_{E} f_n (x) m(dx)
  21. \Re^k上のルベーグ積分
    • リーマン積分とルベーグ積分の関係を与える定理:
      • 区間\left[a,b \right] 上の有界な関数f(x)は,
      • リーマン積分可能 ⇒ ルベーグ積分可能
      • この時,(R) \int_a^b f(x) dx = (L) \int_a^b f(x) dxとなる.

なんだこのメモ.後半の省略っぷりが笑える.やっぱりきちんと理解してないとだらだら書いてしまうな.まあ,理解して無さを浮き彫りにするための学習ログなので目的は達成しているはず.(ぇ

「ルベーグ積分は行儀の悪い関数(列)がちゃんと積分出来るか確かめるための理論だ」なんて紹介されることが多いように思えるんだけど,第21講で得た定理ってその逆だよね?ルベーグ積分可能⇒リーマン積分可能って成り立つんだろうか.本をパラパラめくった感じではなかったし,成り立たない気もする.例えば,有限集合で測度が存在する例は第11講測度空間のサイコロの例があるけど,有限集合はリーマン積分なんて出来ないよね.p 159のTea Timeがヒントかな.ルベーグ積分で得た定理はリーマン積分でも使える,という.そう考えると「ルベーグ積分は行儀の悪い関数(列)がちゃんと積分出来るか確かめるための理論だ」という言い方も少しは納得できる.

なんだ言いたいことまとまってないなw

とりあえず今週で全部読めそうだ.

Written by tkf

November 4, 2008 at 9:22 am

Posted in 数学

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